キミがいた夏~最後の約束~
携帯電話
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「はぁ〜テスト終わったぁ〜!!」
そう言って両手を持ち上げ笑顔で伸びをする綾香
「1週間長かったねぇ」
私もそう言いながら、テストでガチガチになった首を左右にふって緊張を解す
テストが昼までで終わって今は下校途中
綾香とお昼を一緒に食べようということになった
もちろん行き先はテイクオフだ
「あれ?美鈴、足どうしたの?青くなってるよ?」
綾香の問いかけに少しドキリとしたけれど
「あ、またぶつけちゃって…」
と言って少し笑って誤魔化した
あれから1週間
お父さんは私のいる時間に無理矢理合わすようになっていた
なのでまた前のように毎日、殴られる日々
もちろん綾香は知らない
言えるはずもない
この1週間はテスト中ということもあって、テイクオフにも休みを取ってあった
橘先輩にもちょっと過保護なお父さんで機嫌悪いからと言ってあるので
家に早く帰ることができた
お父さんの機嫌を損ねないように何とか対処していたけれど…
殴られる回数は減るどころか増えている気がする
顔だけは殴られないように下を向いているけれど
腕や足にはどうしてもアザが残った
「ふふふ…最近はなくなったと思ってたのに、美鈴って意外とドジだよねぇ〜」
「意外とじゃなくてドジですよ?」
私は悟られない様にわざと明るい声を出した
上は長袖で隠せるけれど
制服のスカートはどうすることもできなかった