キミがいた夏~最後の約束~


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「きゃははは!!ねー?ありえないでしょ??」



綾香の爆笑がテイクオフの店内に響く



「ふふふ!!美鈴ちゃんらしいわね~!」


都さんも楽しそうに笑っている


「まあ、これはこれで使いやすくていいんじゃないの?」


明らかに笑いを噛み殺しながら、虚しいフォローをしてくれるトビーさん


「俺はヤメロって言ったからな」


サーフィン雑誌に目を落としながら先輩が遠くで念押しの様に叫ぶ



携帯電話を買いに行った翌日の放課後


私はまたテイクオフでバイトをしていた


皆が話題にしているのは私の携帯電話



「それにしてもあり得ないよぉ!花の女子高生が"簡単携帯"なんて!!」



そう、私の選んだ携帯は



文字が読みやすくて

使い方がすごく簡単

テレビはついていない


どちらかと言えば年配の人の為にあるという"簡単携帯"



「いいじゃん…すごく使いやすくて簡単なんだから…」



それを聞いて何かを言いたかったのか先輩は席を立ってこちらに歩いてくる



「お前!そんなこと言って、簡単ケータイなのになんでこんなメールになんだよ」



そして先輩は自分の携帯電話をみんなに向かって差し出した





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