キミがいた夏~最後の約束~
全員で一斉に橘先輩の方を見る
「え!?俺!?」
先輩は突然話を振られて大袈裟に驚いている
なんだかあやしい
「んーっと♪20人ぐらいかな♪」
「バカ言うな、あんた、こないだメモリ足んないからSD買うって言ってたでしょ」
都さんのするどい突っ込みに顔をしかめる橘先輩
「えー…言うの?」
「うん」
「絶対皆、引くよ」
「うん」
「そこは否定しようか?」
橘先輩は上を向いて困った顔をしながら、でも観念したように一言
「500人ぐらいかな…」
は?
500!?
私…4人だよ!
は!?
「呆れた…学生のくせに何その人数…
私なんて仕事先含めてもそんなに無いわよ…」
都さんがものすごく呆れた顔で橘先輩を見ている
全員同じ顔をしているだろう
「嫌、違う違う、言っとくけどこれ全部、昔のまんまだから」
橘先輩はみんなにというよりも私に思いっきり弁解しているようだ
「昔は挨拶変わりに番号交換してたからさ!
でも俺から聞いたことはあんまないんだよ!聞かれて教えたらこんなになってさ!まあ若気の至りっていうの?」
ニンマリ笑ってみせるけどまったく効果を発揮していない
「あ~……だから言いたくなかったのにぃ……」
橘先輩はソファーに体をダラリと預けて
グッタリしたポーズを取ると
都さんはそんな先輩を見てしてやったり!っと言わんばかりの笑みを浮かべている