キミがいた夏~最後の約束~
橘先輩はだらけていた体をまたもう一度ガバリと起こし、私の方に向くと
「美鈴と会ってからは、誰からも聞いてない」
それだけ強く言い放った
私は目をパチクリさせながら先輩を見ている
橘先輩の顔は真剣そのもの
そして私は思い出していた
昨日橘先輩が女の子2人組にメールアドレスを聞かれていたことを
確かに断っていた
うーん
信じてもいいのかな?
「わかった」
私が少し納得したようにそう言うと
それを聞いて安心したのか、橘先輩は大きな息をついて雑誌に再び向き直った
都さんは私に小さな声で
「女の子の番号、全部消させな」
っと言うと、すかさずトビーさんが
「そんなことしたら、多分登録人数4人になるんじゃないか?」
そう言って全員で爆笑する
遠くにいる橘先輩は何かわからない顔でこちらを見ていた