キミがいた夏~最後の約束~
放課後になっても綾香と久美の噂話は止まらない
「橘先輩、K大受けるらしいよ」
「うそ?めちゃ頭いいじゃん!」
「ねー?顔も良くて頭もいいってデキスギ君、しかも家は老舗の呉服屋って…なん
かダメなとこあるの?」
「先輩の着物姿…いいかもぉ…」
久美…ヨダレ…
「あーあ、あたしもK大頑張っちゃおうかなぁ~」
「綾香は射程圏内だからいいよねぇ…あたしは絶対無理!」
そんなこんなとワイワイしながら綾香は委員会があるらしく急ぎ足で行ってしまった。
私と久美は校門までゆっくり歩きながら話す。
「あのさ」
「うん?」
「今朝の話の続きだけど…」
「うん…」
『好きな人』のことか…っと無意識に眉間にシワがよる
「美鈴は春奈に匹敵するぐらい可愛いんだからさ~」
「え!?何それ!聞いたことないよ、ふふっ」
「うーん、まあ春奈タイプではないか、なんかあのこギャルっぽいしね」
「小学校の時はナチュラル可愛いかったんだけどなぁ」
「美鈴はねミステリアスなキレかわかな?」
「何それ?久美、私を褒めてもなんもないよ!」
「マジ?なーんだぁ…ってウソウソ
ホント綺麗なんだからドンドン行けば?」
「え~~??好きな人とかいないよ~!」
「そーなの?」
「うん、そーなの。なんでぇ~?」
「そか~私の勘違いか!ずっと好きな人がいるのかと思った!」
なんだか少しドキンとした