キミがいた夏~最後の約束~





「美鈴ちゃん!大丈夫!?」


「あ…すみません…大丈夫です」



私は棚に戻そうとしたグラスを手を滑らせて床に落としてしまった


すぐに割れたグラスを拾おうと屈んだけれど、自分の出した手が震えているのに気付いた


いつの間にか近くに来ていた綾香がその私の震える手を掴んで心配そうに覗き込んでくるから
私はそれに大丈夫だと目だけで答える



「もぉ~あんたが変なこと言うから驚くんじゃない」


「ははは…ゴメンゴメン」


「でもホントに悪趣味なあだ名よね、学生のノリは怖いわ~」


「だな?それで未だに使ってるちゅーのも相当だけど」



都さんとトビーさんは懐かしそうに、昔を振り返っている
それも含めてとてもいい思い出なのだろう



気がついたら、橘先輩も騒ぎに気づいて近くまで来て心配そうにこちらを見ていた




「そうそう…飛び降り自殺といば…」


そして都さんが何かを思い出したように再び口を開いた









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