キミがいた夏~最後の約束~
「なんだか張り切ってるね」
「まーな」
橘先輩は私の渡したタオルを、濡れた頭にターバンの様に巻き付けながら
「9月の頭に大会があるからさ」
そう言って海をい愛しそうに眺めた
「大会?」
「うん、サーフィン連盟主催のでかいやつ」
「ふーん」
そんなことを聞いてもわからないので少し生返事になる
でも橘先輩はそんなこと気にした様子もなく話を続けた
「その大会で優勝したい…」
「え!?」
優勝…
サーフィンのことはまったくわからないけれど、その言葉には私も流石に大きな反応をした
「俺、プロサーファーになりたいんだ」
そう言った橘先輩の顔は笑っていたけれど、目はとても真剣で、私は無責任だけどすぐに言葉を返していた
「橘先輩ならなれるよ!」
でもその気持ちは本当だった
あんなに綺麗に波に乗る人を初めて見たから…
橘先輩はそれを聞いて少しビックリしていたけど、またすぐに笑顔になって『サンキュ』っと答えてくれた