キミがいた夏~最後の約束~




「美鈴は?」


「え?」


「何か夢はないの?」


そう言って橘先輩は私に笑顔を向ける


夢…


前にも似たような質問をされたことを思い出す


その時も答えられなかったけれど今もそれは同じ


自分が何になりたいのか…


それさえ思いつかない…


ただ言えるのは…



「お母さんになりたい」


「へ?」



橘先輩が思いもよらない答えに微妙な顔で驚いている


そして少し考え込んだ後



「それって遠回しのプロポーズ?」


え!?


なんでそうなるの!?



「ちがっ…」



私は真っ赤になりながら橘先輩の方を向く


でもそこには予想外にやさしそうな笑顔の橘先輩の姿がそこにあった





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