キミがいた夏~最後の約束~
すれ違い
相変わらずの暑い日ざし
カキ氷は何度作ってテーブルに運んだのかわからないほど
私はまたテイクオフでいつもの通り働いていた
「いらっしゃいませ~」
いつも通り忙しく、何のトラブルもなく順調に午後の休憩を迎える
そして休憩から帰って裏口から入ろうとした時、配達が終わって出てくる三池くんに出会った
「お疲れ様です」
私はそれだけ言うと、目も合わさずに中に入ろうとした
暑さのせいで一刻も早く店内に入りたかっただけかもしれない
「ねえ」
思いがけない人の低く静かな呼び掛けに、私は少し戸惑いながら振り替える
「何?」
「明日時間ない?」
え…?
「何か用?」
「俺がなんであんたのこと知ってるか、話してなかったよね?」
そう言っていつも通りの冷たい目を私に向ける
そうだ…
その理由が本当は気になっていた
でもあれから2人になるタイミンがなかなか無くて、聞き出せずにいた
他の人がいるときには声をかけずらかった
橘先輩の耳に入ると嫌だったから
でも幸い、明日から3日間は橘先輩は県外に友達とサーフィンに行くと言っていた
ゆっくり話をする丁度いい機会なのかもしれない
私はそう思い口を開いていた
「何時に?どこ行けばいい?」