キミがいた夏~最後の約束~
すれ違い




相変わらずの暑い日ざし


カキ氷は何度作ってテーブルに運んだのかわからないほど


私はまたテイクオフでいつもの通り働いていた


「いらっしゃいませ~」


いつも通り忙しく、何のトラブルもなく順調に午後の休憩を迎える


そして休憩から帰って裏口から入ろうとした時、配達が終わって出てくる三池くんに出会った


「お疲れ様です」


私はそれだけ言うと、目も合わさずに中に入ろうとした

暑さのせいで一刻も早く店内に入りたかっただけかもしれない



「ねえ」



思いがけない人の低く静かな呼び掛けに、私は少し戸惑いながら振り替える



「何?」


「明日時間ない?」


え…?


「何か用?」


「俺がなんであんたのこと知ってるか、話してなかったよね?」



そう言っていつも通りの冷たい目を私に向ける


そうだ…


その理由が本当は気になっていた


でもあれから2人になるタイミンがなかなか無くて、聞き出せずにいた


他の人がいるときには声をかけずらかった


橘先輩の耳に入ると嫌だったから


でも幸い、明日から3日間は橘先輩は県外に友達とサーフィンに行くと言っていた


ゆっくり話をする丁度いい機会なのかもしれない


私はそう思い口を開いていた



「何時に?どこ行けばいい?」






< 241 / 378 >

この作品をシェア

pagetop