キミがいた夏~最後の約束~




そう思って、私は昨日のトビーさんとのやり取りを思い出す



「そうだ…トビーさんに謝らなきゃ…」


「は…?なんで…?」


「だって昨日、思いっきり心配かけたし…さっきだってトビーさん、先輩に何か言ってくれたんでしょ?」



2人の乱れた服装を見たときにピンときた


トビーさんは私のことすごく心配してくれるから


まるで実の娘みたいに…



「ああ、あれね…」


「うん」


「あれのことなら謝らなくていいよ」


「え?」



私は疑問たっぷりの顔で橘先輩を見ると
橘先輩は少し苦笑しながら私をまた抱き寄せて



「お願いだから、風呂上がりの姿でトビーさんの周りをうろつくのやめて…」



へ?


風呂上がり?


意味がわからなくて尋ねてみると


さっきトビーさんと掴み合いになったのは


私が橘先輩とケンカをして泣いていたことが原因ではなく


トビーさんが自慢げに話す『風呂上がり』の話に腹をたててもみ合ったそうだ






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