キミがいた夏~最後の約束~




橘先輩もそんな私に気づいて顔をあげて笑う


「こんな遅くまですごいね」


声を掛けたのは私から


あれから、少しギクシャクしていた関係だけれど
またすぐに元に戻ることが出来た



「おー、まあな」



そう思っているのは私だけかもしれないけれど…


前より橘先輩が考え込む仕草を見せることが多くなっている気がする


その原因が私にあるのか、これからくるサーフィンの大会にあるのかは、わからない



「明日の花火大会の前に俺んちこない?」


「え?」



橘先輩の家


確か呉服屋さん



「ねーちゃんに話したら…浴衣着せてくれるってさ」


「ええ!」



浴衣!?


でもどうしよう…



「私、浴衣持ってないや…」


その言葉を聞いて、わかっていますという顔をした橘先輩



「なんかそれもねーちゃんの高校の時に着てたので良ければあるって…」


「え、そんな…いいのかな?」


「いいの」



そう言って橘先輩は私を引き寄せる



「俺が美鈴の浴衣姿が見たいから、何でもいいから着て見せて?」


そんな言葉にキュンとする


橘先輩を好きになるのは底がないな…



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