キミがいた夏~最後の約束~
「ひゃはは、お前!持っていかれたって!あの女がこいつに勝手に熱上げてただけじゃねーかよ」
「あ~そういや、そんなことあったなプハハ!お前、そんな逆恨み、タチバナクンがかわいそーだろ」
少しも可哀想だと思っていない2人の口調
「うるせぇええええ!!」
それにますます腹を立てた男が大きな声を出し
何かをポケットから取り出して手に握ると
「ぶっ殺してやる」
そう言って橘先輩を睨み付けた
潰れそうなほど脈打つ心臓
それをかき消すように再びあがる花火
その瞬間、キラリと光るその不気味なフォルムが浮かび上がる
「おい…落ち着けよ…お前それはやばいって…」
仲間でさえそれを見て焦った口調で止めにはいる
「そーだよ…そこまでしなくてもいいだろう…」
その男のその手にはナイフが握られていた