キミがいた夏~最後の約束~




「キャ……」


私は隠れながら小さな悲鳴をあげていた


嫌だ…

橘先輩が刺される

殺されしまう


誰か…

誰か助けて…

誰か────…



いつか私はこんな願いをして
聞き入れられなかった日のことが頭をかすめる



それと同時に


あの日、三池君の言った


予言のような言葉を思い出していた






いつか陰が陽を侵食する時



あんたは必ずこう思うんだ



私のせいで



私がいなければ







私は石の影から震える足でどうにか立つと、助けを呼ぼうと屋台の方へ走り出した






「うおおおおお!!!」



突然の怒声


それに驚いて足を止めて振り返るけれど
暗くて何も見えない



お願いやめて



橘先輩を傷つけないで



私のせいで



私がいたから…



ドカッッ━━━━━━━━━━━━━━……‥‥



「う…っっ━━……‥」








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