キミがいた夏~最後の約束~
病室に戻ろうと踵を返すと、そこには三池くんが立ったままこちらを見ていた
「俺も配達の途中で抜けたから帰るわ…」
「三池くん…」
私の横を通り過ぎようとした三池君呼び止めると、三池君は立ち止まり無言のまま冷たい視線を私に送る
あなたの予言通りになった…
そんなことを言うつもりはないけれど
「今日は…助けてくれてありがとう…」
私の頭には何度も何度もあのフレーズが木霊する
「お大事にね…」
そう誰に言うでもなく呟いて去っていく三池君の背中を見送っていると
入れ替わりでトビーさんがすれ違った三池くんに気づきもせずに、焦った様子で走ってくるのが見えた
「美鈴ちゃん!!渚は!?」
「トビーさん…お疲れのところすみません…こっちです…」
私は少し歩いた病室にトビーさんを案内すると扉を静かに開けて中に入っていった