キミがいた夏~最後の約束~



トビーさんの力を借りて、体を起こしてベットに腰かける橘先輩


その手にはまだ点滴がそしてシャツには血の後が残っていて、見ていられなくなって橘先輩から目をそらした



「いったいどうなってんだよこれは…」


トビーさんが再び疑問を投げ掛けると
今度はそれに橘先輩が説明を始めた


「話せば短いんだけど…」


「ボケはいいから、さっさと話せ」


そんな掛け合いをしながら2時間ぐらい前にあった出来事を、先輩は一部始終話し始めた


私はその話を聞きながらも病院特有の消毒液の匂いと
その再び話される悪夢のような話に眩暈を覚える


そして橘先輩はその話の中で私に非のある言い方は一言もしなかった




「……というわけで、相手がナイフ持って突っ込んで来たから避けたんだけと、避けきれなくてさ…」


「…ふん…ふん…」


「相手がチビだったのがよかったのか悪かったのか…太ももにナイフがグサーッだよ!」







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