キミがいた夏~最後の約束~




橘先輩が少しコミカルにそう言うけれど
トビーさんは全く笑っていない


そして一言手で顔を覆いながら


「とうとうお前の女癖の悪さで刺される日が…」


「ちょ…トビーさん!俺はそいつの女なんて全然しんねーから…あ!美鈴も」



そう言って私の方を振り替える


私はわかってるよっとだけ答えて少し笑ってみせた



コンコン━━……‥



病室のドアがノックされて看護師さんが顔を出す



「どうですか…あ、気がついた?」


「はい…すみません、お手数お掛けしました」



私がペコリと頭をさげていると病室の中から


「俺の足ってどんな感じなんですか?」


待ちきれないとばかりに声がする


橘先輩はそれを早く聞きたかったのだろう


看護師さんが入っていく前に質問を投げ掛けていた





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