キミがいた夏~最後の約束~
私は橘先輩に無理をしないように言うとトビーさんと一緒に病室を後にした
トビーさんは車で来ていたらしく、その車に乗ってテイクオフまで帰る
車の中でトビーさんは明日も休みをくれると言うので、私は申し訳ない気持ちもあったけれど、お言葉に甘えて橘先輩のお見舞いに行くことに決めた
私はひどく疲れていた
橘先輩が何事もなくて本当によかった
それと同時に沸き上がる不安
私といると不幸になる
太陽みたいな橘先輩の光を鈍らしているのは私?
疲れているせいか
嫌な考えばかりが
押し寄せては消え
それはまるで海でいつもみていた波のよう
『やがてその思いが自分を侵食しだす』
三池くんの冷たい予言を思い出しながら瞳を閉じた