キミがいた夏~最後の約束~
罪
その日、橘先輩は海にいなかったので綾香といつも通りに登校した
久しぶりの2人だけの通学路
梅雨の時期だったので天気は常に曇り空
それでも気持ちは穏やかだった
でも教室に近づくにつれて少しずつ周りの視線が気になり出す
今日は橘先輩と登校していないのに…
ヒソヒソと話す声まで聞こえてくる…
こんなこと前にもあった気がする
そう…あれはいつだったか…
いつかあったこれと同じ場面を思いだそうとしていたその時
「美鈴!綾香!」
久美の少し強張った声が廊下に響く
「どしたぁ?久美?」
綾香は久美に問いかけるけど久美は答えない
私たちは、そんな久美に疑問を抱きながら自分のクラスに足を踏み入れた
すると一斉にクラスのみんなが私に視線を注ぐ
何?
やっぱりあった…
これと同じことが…
「ちょっと何これ!」
綾香の声に私は顔を上げた