キミがいた夏~最後の約束~




「みーすず!お待たせ!」


そんなことをあれこれ考えている背中を突然軽快にポンッ!っと叩かれたものだから、思わず声がこぼれた



「あたたた」



ヨロヨロしながら後ろを振り向くとそこには小学校からの親友『綾香』が立っていた



綾香はトレードマークの黒髪の超ロングのストレートヘアを風になびかせながら、大きな口でケタケタ笑っていた



「なーに?大袈裟!そんなに強く叩いてないでしょ?」




私はそんな綾香の問いかけには答えず素早く腕時計に目をやる



「もうこんな時間だったんだね」


あわててお尻を叩きながら立ち上がり、綾香の隣に並びながら前を見ると
いつの間にやら着替えた橘先輩と、声援隊(命名しました)も登校しようとしていた



「ああ~トリップしてた~」

「え?」

「いやいや、行こっか」

「何?変なの……んあ!橘先輩!」

「そだね」

「ラッキー♪今日もいいことありそう♪」

「それ毎日言ってるよね?」



珍しい物でも見つけたのか?っと思うようなキラキラ、ウキウキした綾香の顔


そんな通学路


そんな毎日


定番な朝






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