キミがいた夏~最後の約束~
うわさ
学校に着いて教室に入るなり、早速『橘先輩』の噂は飛び込んでくる
「2組の春奈が橘先輩に告ったらしいよ!」
高校から仲良くなった『久美』が挨拶そっちのけで私たちに近づいて耳打ちする
「えー!マジ!?やばぁ~い!春奈ならもしやOKもらった!?嫌だぁ!」
綾香が大袈裟に頭を抱え込む
『春奈』というのは私達と小学校から一緒で、とにかく男子によくモテる
同じクラスにはなったことは一度もないが、クラスの男子が騒いでるのは小中を通してよく見てきた
まあ、あのかわいい容姿では周りが放っておかない
そんな自分から告白しなくても、いくらでもよってくる『春奈』が告白したんだからOKは間違いないだろう
「まあ、OKだよね普通」
私が言うと、綾香は頭を抱えたまま机に突っ伏した
あらら撃沈?
ふと目を久美に向けると不適な笑みで綾香の頭をつついている
「それが♪」
綾香がガバッと起き上がる
「振られたみたいよぉ♪」
二人が手と手を取り合って喜んでいる
春奈に思いきっり同情