We're Square ・・・・Savvy?

告白現場

別に見るつもりはなかった。
覗き見するつもりも。

先にこの場所に居たのは私だ。





「あ、あのっ!・・・・・・好きです!!」

ポカポカ陽気に誘われてお昼ご飯を食べ終えてウトウトしてると、そんな台詞が聞こえたから、ちょっぴり出てきた好奇心に従っただけ。

声がした方に身を乗り出したら丁度告白現場を見てしまった訳だ。



顔を真っ赤にしてる女子。

男子は背を向けて立ってるから顔は見えないけど、ズボンのポケットに両手を入れ・・・・うん、なんだかとってもダルそう。



くどいようだけど、先にこの場所に居たのは私だ。

体育倉庫の裏は日当たり良く、滅多に人も来ない。

私のお気に入りの場所。


今からお昼寝タイムに入ろうとしてたのに邪魔をされたのは私。


少しくらい見てても罰は当たんないだろう。


うん。



持論を立て、ジーっと女子生徒を見てるとバッチリと目が合った。

台詞を止めた女子は目を見開き、ついでに口も開けたまま固まった。


おいおい、ベッピンさんが台無しだよ。
まぁまぁ、私の事は気にせず続けたまえ。

そんな意を込めてニッコリ微笑み手を振った。
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