We're Square ・・・・Savvy?

鬼ごっこ

グラグラ肩を揺さぶられ「起きろ千夏、起きろ!ヤベぇ。」慌てるような言葉を並べる癖に言った本人は焦る様子もなく、覚醒しない私を立たせた。

「来やがった。」

「にーしー!おーやまー!!」

虎が呟いた直後、怒声が聞こえてきた。


あそこに見えるのは赤鬼じゃないか。
今日も赤鬼は元気だなー。


半分しか開いてない眼で呑気に構えてたら、浮遊感を覚え視界から赤鬼が消えた。

見えるのは紺色のTシャツ生地と少し視線をずらすと地面。

私は担がれてるらしい。


「にーしー!おーやまー!!」

赤鬼がいつものように赤いタオルをブンブン振り回しながら追いかけてくるのが見えた。


あー眠い。
だけど赤鬼に捕まるのは勘弁だー。


ダルい頭で考えた内容は正論なので、「はいどーはいどー」虎のお尻を軽くはたき声援を送ってあげた。
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