空を見上げる皇帝ペンギン。

さっきみたいに手を振る力が腕から抜けてしまって、ぎこちなく笑う。大丈夫、周防くんは遠いから気づかない。


「本当、マメだよねー。」


笑いかける隣の人は、一体誰なんだろう。周防くんのファン?知り合い?聞かないと分からないことってあるけど。

なんだろう、意地になってしまう。別にアナタのことなんて気にしてませんよー、なんていう変なプライド。気にしている時点でそんなの終わりなんだけど、うん、今回はプライドが勝った。


「そうですね。」

「あ、こっち来た!」


にっこり笑いかけてみるけど、効果は無かったみたい。この人、私の方を向いてすらいない。



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