空を見上げる皇帝ペンギン。

促されて、答えてしまう私も私。

ふむふむと頷く周防くん。


「…ネックレスありがとう。」


体温を吸ったのか、紅い石はもう冷たくは無い。

可笑しなタイミングで言ったからか、周防くんは少し驚きながら笑って、


「そういう心配はいらない。体力もあるから。」


陸上選手だもんね。

でも、私は寒い間ずっと周防くんだけに卵を任せるつもりは無いし、一匹で居られる自信も無い。

私には無いものが多いなぁ。


「それに、ペンギンて集団の中から自分の相手を探し当てられるって聞いた。」



< 12 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop