空を見上げる皇帝ペンギン。
促されて、答えてしまう私も私。
ふむふむと頷く周防くん。
「…ネックレスありがとう。」
体温を吸ったのか、紅い石はもう冷たくは無い。
可笑しなタイミングで言ったからか、周防くんは少し驚きながら笑って、
「そういう心配はいらない。体力もあるから。」
陸上選手だもんね。
でも、私は寒い間ずっと周防くんだけに卵を任せるつもりは無いし、一匹で居られる自信も無い。
私には無いものが多いなぁ。
「それに、ペンギンて集団の中から自分の相手を探し当てられるって聞いた。」