空を見上げる皇帝ペンギン。
休憩時間は何分なんだろう。聞こうとする前に、周防くんが口を開いた。
「やっぱり、帰ろう。」
「え?どうして?」
「緋睡、顔色悪い。」
額の辺りを手で覆われて熱を確かめられる。顔色悪い、って。あまりの驚きに声が出ない。どうして分かったんだろう、私、そんなに顔色悪い?
目を瞬かせていると、熱は無いみたいだな、と言って頭を撫でてくれる。ちょっとだけ、子供扱いだなって感じる私が居る。
「大丈夫だよ?」
「さっき、お腹痛いって寝言言ってたぞ。」
「…もう大丈夫だよ。」
周防くんの着るユニフォームと同じのを着る人達が段々とコートに入って行く。