空を見上げる皇帝ペンギン。
黒いコートは私のブーツも一緒に足をすっぽりと覆っている。未だ動こうとしない周防くんの顔を覗き込む。
「行ってらっしゃい。」
周防くんの手を額に当てる。「周防くんが沢山ゴールを入れられますように。」小さく呟く。
周りの視線を気にしないのは出来なくても、周防くんだけを見るのは容易い。
「スリーポイント、」
私に続くように呟く声が降ってきて見上げた。穏やかな笑顔。
「決めてくる。」
頷く。
誰がなんと言おうと、私、周防くんが好きだ。