空を見上げる皇帝ペンギン。

寝顔を覗き込む。鼻筋が通ってる顔は、眠ってる時の方が幼く感じる。こうやって男の人の寝顔を見ることが出来るのは、弟か周防くんくらいだ。

私にお父さんは居ない。

毛布を借りて、周防くんに掛ける。私は昼間と同じようにローテーブルの上に腕をベッタリつけて顔を乗せる。テレビ番組は面白いのがやっていなくて、消した。

消した途端に携帯に着信が入る。


「…わ…。」


噂をすればカゲ。
周防くん眠ってるから出ても良いかなと思って、ボタンを押す。


『年末どーすんのかって。』


…第一声がそれですか。



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