空を見上げる皇帝ペンギン。
電話はもしもし、から始まるものだよ。いつかそんな話をしたら、かったるい、と反抗期な態度で返されてしまった。
「…もしもし。」
躊躇って、抵抗。
案の定、
『緋睡サン、年末どーすんのかって聞いてんだけど。』
「もしもーし、」
『はい、来ない、と。お前の分は俺が貰うから。』
「え、ちょ、」
隣に気配を感じた。いつの間に。
周防くんが隣に、笑顔を貼り付けながら座っている。
目が合った。起こしてしまったかな、と瞬きをしながら考える。
突然、腰を抱き寄せられて数センチ床を滑る。