空を見上げる皇帝ペンギン。

怒りの理由が分からなくて、やはり鋭さが欲しいと思う。

電話相手より、周防くんの方が優先。


『当たっただろー、ってことでお年玉は、』

「私の弟、外部慶翠(ケイスイ)っていうの。
替わる?」


携帯電話を周防くんに差し出す。驚いた顔をした周防くんは、納得したようにいつもの顔に戻って携帯電話を私に返す。

いいよ、続けて。と言った周防くんは私の腰から手を離して、普通に隣に座った。


「あ、勿論帰るし、勿論お年玉も居るってお母さんに言っといてね。」

『ねーちゃんさ、』


久しぶりに聞いたねーちゃんという言葉。



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