空を見上げる皇帝ペンギン。

思わず、抱きつく。ギューッとお腹に抱き付いたつもりなんだけど、抱き付いた私の方が疲れてしまった。周防くん、細身過ぎる。ちゃんと食べているのかな。

周防くんは、時々。

時々、そういうことを言う。私相手に言ったって勿体無いようなそんな言葉。


「私には、勿体無いよ。」

「そんなこと無い。」

「あるの。すっごいあるの。私みたいなのに、勿体無いの。」


私が居なくなったら死んでしまう周防くんなんて想像も出来ない。想像が出来ない分、虚しくなる。

自分を卑下するのは、それを感じたくないからだと思う。



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