空を見上げる皇帝ペンギン。
アッサリと発せられた言葉に、口をポカンと開いた。
別れる?私が、周防くんと?
「前に聞いた時も思ったけど、姉ちゃんと彼氏と比べたら明らかに彼氏の方が姉ちゃん好きじゃん。」
「そんなこと無い。」
廊下は寒い。今はタイツを履いているから、そこまででは無いけれど。
弟と喧嘩して、泣いていたのは幼い頃。最近は口論する程話もしなくなっていた、と気づく。
「別に彼氏のこと悪く言ってるわけじゃなくて。」
「じゃあ何?」
「寧ろ、逆。そんなんじゃ、彼氏可哀想。
愛が偏ってる。」
私は、カチンときてしまった。