空を見上げる皇帝ペンギン。


あまり場所を離れるのは良くない、と2人で話してその場で待機。フランクフルトの列もここからは見えなくて、勿論桃葉ちゃんの姿も見えなかった。

近江くんが携帯で桃葉ちゃんに電話をしているけれど、こんな人ごみの中では電波は役に立たないだろう。私も、出来るだけ目を懲らして見渡す。これでも、視力だけは良い。

でも、多分桃葉ちゃんの場合はフランクフルトをきちんと買ってから私達を探し始めると思う。


「だめだ、繋がらない。」


諦めて、近江くんが携帯を閉じる。じゃあ私もかけてみようか、と携帯を取り出したけれど、どっちにしろ結果は同じだ。



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