空を見上げる皇帝ペンギン。
こんな時、文明機器に頼っている人間は不便で、動物は便利だと思う。微かな匂いで相手を嗅ぎ分けることが出来るのは、こういう時の為。
近江くんと並んで立っていると、通り行く人々に少し見られて気まずい。もしかして恋人とか間違えられているんじゃないだろうか。
「少ししたら昼時も過ぎるし、待ってよっか。」
「うん。」
半分荷物持ち状態な近江くんが近くの段差にそれを置く。
「外部。」
「ん?」
もしかして桃葉ちゃんが見つかったのか、と近江くんを見る。