空を見上げる皇帝ペンギン。
ハッと気付く。なんか、微妙に夢の世界に入っていたかもしれない。時計を見ると、9時。もう3時間経っていたらしい。携帯を見てみたら驚いたことに電源が切れていた。
周防くん、今日は帰って来ないのかもしれない。
ぼーっと時計を見ていると、エントランスの扉が開いた。
「結構遅くなったな。」
「コーチの話、長ぇんだよ。」
周防くんだ。
周防くんと友達の声が背中の方で聞こえた。声かけなきゃ。周防くん、行っちゃう。
でも、立ち上がる勇気も無くて。
友達の人、来てるなら邪魔だから…。