空を見上げる皇帝ペンギン。
「ごめんね、周防くん。私の気持ちが足りないなら、ちゃんと埋めるから。」
「緋睡。」
「うん?」
周防くんは、背中の方にある引き出しから何かを取る。そして、それを見せてくれた。
差し出すように見せてくれるから、受け取る。
「…鍵?」
「合い鍵。来るときは連絡が欲しいけど、俺が居ない時はこれを使って入ってくれ。」
「いいの?」
短く、唇が重なる。
「構わないよ、嬉しいくらいだ。それに、前より緋睡に近づけた気がする。」
「ありがとう。」
「あと、気持ちが少ないとか思って無い。」