空を見上げる皇帝ペンギン。
誰かに話した覚えは無い。私が首を傾げると、三枝さんは手を横に振る。
「ううん、ちょっとねー。じゃあね。」
飛ぶように去って行く。桃葉ちゃん達は少し離れた所で待っていてくれていた。何の映画を見る?という話になっても、三枝さんの言葉は頭を支配した。
剣道やってるって分かったということは、名前も知ってるってことかな。
三枝さんも剣道をやっていた、と聞いたし、知っているのは当然なのかもしれない。
「コメディが良いな、ひーちゃんコメディでも良い?」
「良いよ。面白いの好き。」