空を見上げる皇帝ペンギン。

周りの女の先輩を平気でスルーして、こっち側に大股で歩いてくる。視線が痛い。


「カッコいいね、もしかして、ひーちゃんの、」
「恋人の周防藍斗です。」


代わりに桃葉ちゃんの質問に周防くんが答えた。驚いたように目を丸くした桃葉ちゃんはリスのようで可愛い。

オロオロしていると、近江くんが桃葉ちゃんの手を引いて、


「じゃあ、先行ってる。」


とだけ言って、歩いて行ってしまった。残された私と周防くんはその後ろ姿を暫く見ていた。


「何か…あったの?」


聞いてみる。



< 192 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop