空を見上げる皇帝ペンギン。
周防くん、何キロ走るんだろう…。
練習が始まってから、周防くんはコースを少人数で何度も回っている。
時々、私を確認するように見て、笑顔を送る。そうすると笑顔が返ってくる。
まだまだ余裕らしい。
流石周防くん…と少し思っていると、後ろに人の気配を感じて振り向く。
そこには、いつしか周防くんがバスケの試合に参加した時に話しかけてきた女の人。
「あ、周防の彼女さん。」
今日もナチュラルメイクがバッチリ決まっている。
私は驚いて、二回ほど目をパチクリさせた。
「おー、やってるねー。」