空を見上げる皇帝ペンギン。
驚く、というより、茫然自失。
「そういえば、自己紹介してなかった。紫暖ていうの、よろしくね。」
「シノン、さん。」
「あ、周防ー。」
手を大きく振ったシノンさんの視線の先には、周防くんの姿。
少しの休憩がはいって、周防くんはこっちへ来て観客席を見上げる。
「また来たのか。」
「もっちろん。」
「飽きないな。」
親しげに話しているのを聞いて、ちょっとだけ心が沈む。
「緋睡、シノンはカメラマン。」
「え?」
初耳だった。
何故自己紹介でそれを言わないのかが不思議。