空を見上げる皇帝ペンギン。
そんな自分が、何だか少し、寂しい人のように思えて顔を引き締める。
でも、その姿はきっと、小さな檻の中は自分達の世界で出たいとは思いながらも、そうやってみんなと眠るのにも幸福を感じている。
いいな、と思う。
もしも私が、日本なんて小さな世界だなんて考えていられたなら、毎日会いに行けているんだろうか。
不毛な考え方。
今笑っているのは、自嘲したから。
「こんな所で、」
檻の中の彼等は健やかに眠っている。私が何で笑おうと、笑わなかろうと関係無い。
振り返る。
まさか、と表面上で取り繕いながら。
え?、と期待を込めながら。
「会えるとは思わなかった。」