空を見上げる皇帝ペンギン。

そんな、変えようも無い事実に寂しくなって、置いてきぼりをくらった気分になった。


「夏は外国合宿じゃない?だから自費で行こうかなって。あ、これ、名刺。」


差し出された名刺をおろおろと受け取る。


「あ、ごめん。あたし、自分の話ばっかりしちゃうんだよね。」

「いえ、そんなこと無いです。」


マシンガントークは生まれもったものらしい。

私は名刺をしまって、周防くんの背中を見た。夏の合宿、外国だもんね、もっと遠い場所に行っちゃうんだもんね。

無意識に涙が溜まった。



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