空を見上げる皇帝ペンギン。
そして、今に至る。
「お帰りー、この玉子焼き美味しいね。」
紫暖さんがもぐもぐとお弁当を食べている。
周防くんは私の手を引きながらそれを見て、呆れたように溜め息を吐いた。
もう昼休みに入ったらしい。練習場から、人が捌けている。
「どっちが作ったの?周防?彼女?」
「緋睡が作った。」
「ヒスイちゃん、蒔田に鉢合わせちゃったんだね。」
ドキリとする。どうして分かったんだろう?
私は疑問に思いながら、渡されたおにぎりを食べた。
そうして、周防くんの一日練習は終わっていった。