空を見上げる皇帝ペンギン。

「紫暖と蒔田は婚約者同士で、来月結婚する。」

「ええっ。」

「紫暖は自分で言ってなかったか?」


首を横に振る。苦笑しながら周防くんは私の隣に座った。

その手にはミルク無しコーヒー。私はそれを貰って一口飲む。


「最初は蒔田を撮っていて、陸上繋がりで蒔田と仲が良くなった俺も中学の時から。」

「そういうことだったんだ。」


納得して、首を縦に振る。私は膝を抱いた。

だからすぐに蒔田さんに会ったことが紫暖さんに知れたんだ。

すごいなぁ…婚約者…。

二人は遠いものに感じる。



< 208 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop