空を見上げる皇帝ペンギン。
ざらりと鎖骨を舐められて、周防くんの脱ぎかけのパーカーをギュッと掴む。それが楽しかったのか、しつこく舐められた。
私もお返しに首に腕を巻きつけてギューッと締めた。苦しかったのは、私の方だけど。
「周防くん。」
疲れたのか眠りに落ち掛けていた周防くんの名前を呼んでみる。閉じた目は開かなかったけど、頭を撫でてくれた。
「今度、」
「うん。」
「緋睡の家族に会っても良いか?」
周防くんが目を開いた。
「うん、勿論、です。」
絶対周防くんの方が緊張したのに、私の方も緊張してしまった。
片言だな、と周防くんは苦笑した。
END.