空を見上げる皇帝ペンギン。

しかも周防くん、もしもってついて無いよ。それは、もしもじゃないってことなの?

期待してしまう。

期待が膨らんで、はじけて萎んで。元の大きさどころか、原型も留めないほど小さくなってしまったら。


「嫌なら嫌だと、はっきり言ってくれて構わない。」


首を振る。嫌なわけが、無いよ。

それを見て、苦笑するより自嘲するような微笑みを浮かべた周防くん。

周防くんの奥に、黒い闇が見えた気がした。


「…自惚れてるんだ。俺は自分に。
馬鹿みたいだろう?」


どう返答すれば良いのか分からない。



< 32 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop