空を見上げる皇帝ペンギン。

サンダルに足をつっかけて、鍵を開けて扉を押す。


「ごめん、朝早くに。」


想像していた影より大きくて、外気は冷たい。驚いて顔を見上げると、そうだった、今日は土曜日だ、と思い出す。

暫く頭が回らずにいたけど、


「ごめん、おはよう!入って、寒いよね。」


ブツブツと切れる言葉を並べて、周防くんを家に入れた。

こんな朝早く来るとは…油断していた。私、思いっきり寝起きの姿。寝癖とかついて無いかな。髪を触って確認する。


「久しぶり。」


頭を抱き寄せられて、久しぶりの香りにちょっとだけ泣きそうになる。



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