空を見上げる皇帝ペンギン。
分かった、と返事をした背中を見送ってキッチンに戻る。
卵とハムをフライパンの上に落として、火をかける。ジュッと耳に心地よい音が入る。同時に香ばしい香り。
空気の入れ換えをしよう、と小窓を開ける。サラダも作っていると、玄関がガチャリと開く音がした。
「ただいま。緋睡、こまめに鍵掛けた方が良い。」
「あれ?開いてた?」
「ああ。」
それはそうだよね。だって合い鍵を持ってない周防くんが入ってこれたんだもんね。
ごめん、と謝ると、危ないから気を付けろよ、と笑った。