空を見上げる皇帝ペンギン。
必死に訴える私を見て、苦笑いした周防くんは、
「ごめん、みっともないな。今のは忘れてくれ。」
「…どこが?」
「好みじゃ無いならつけなくて良いって言ったのに、そんなこと聞くなんて。つけろって言っているようなものだろう?」
悪くないのに、ちょっと残念そうに私の頭を撫でた。
エンジンが、かかった車は発車する。もうこっちは見ていなくて、前を向いている。
私って、どうしてこう、頭が回らないんだろう。周防くんがくれたものなんだから、周防くんが来た時くらいつければ良いのに。