空を見上げる皇帝ペンギン。

首を傾げながら聞くと、青信号に変わって車が動く。周防くんは前に向き直した。


「緋睡が来るまでの時間をハラハラ過ごすのは、心臓に悪い。免許を取るだけなら大賛成だよ。」

「…周防くんは、私の注意力を全然信用してないってことがよく分かった。」


ちょっと唇を尖らせてみた。こっちを向けない周防くんが気付くはずも無く、あははと呆れた笑い声が漏れる。


「あ、でも確かに、玄関の鍵は掛け忘れてたね。」


思い当たる節を口に出すと、止めておこう、と言われて頷く。



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