空を見上げる皇帝ペンギン。

知らない番号が出ていて、恐る恐る取る。今朝、気をつけろって言われたばっかりなのに。


「もしもし。」

『あ、ヒスイちゃん!?』


キーンと耳をつんざくような大声に、思わず子機を耳から遠ざけた。

だ…誰!?

大学の友達じゃない。三枝さんでもない。バイト先の人でも家族でもない。

男の人の声に暫し唖然として、固まっていた。電話の向こう側の人が続ける。


『もしもし?もしもーし!今日、ヒスイちゃんの所に周防が行ってるって聞いたんだけど、いる?』


周防くんの友達?いや、でも新手の詐欺の電話だったり。



< 61 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop