空を見上げる皇帝ペンギン。
知らない番号が出ていて、恐る恐る取る。今朝、気をつけろって言われたばっかりなのに。
「もしもし。」
『あ、ヒスイちゃん!?』
キーンと耳をつんざくような大声に、思わず子機を耳から遠ざけた。
だ…誰!?
大学の友達じゃない。三枝さんでもない。バイト先の人でも家族でもない。
男の人の声に暫し唖然として、固まっていた。電話の向こう側の人が続ける。
『もしもし?もしもーし!今日、ヒスイちゃんの所に周防が行ってるって聞いたんだけど、いる?』
周防くんの友達?いや、でも新手の詐欺の電話だったり。